―約束―




私と拓登は約束をした。



私も家に帰るから、拓登も家に帰る。


そして、お互いの父親に自分の気持ちを伝える。





朝7時。



家のチャイムを鳴らす。





誰も出てこないから自分で鍵を開けた。


靴がないから佳世さんはいない。



「おう、こんな時間に帰ってきたのか?」



ふとんの中からお父さんの声がした。


聞こえないフリをして、シャワーを浴びる。





佳世さんの匂いがしない。


ケンカでもしたのかな。




まさか別れたとかそんなはずはないよね。



お父さんが、綾のお母さんに本気で惚れたとかマジでありえないし。