拓登は、家出をした。


家出をしても何も変わらないことはわかっていた。




「お前が、お父さんに変わって欲しくてバカな計画立てたのと、俺の家出は同じようなもんだな」




私も拓登も、何かを変えたかった。



変わると信じたかったけど、心のどこかではわかってる。



何も変わらない。



自分の無力さに気付いて後悔するだけだって。





「何も変わってねーんだよな、あの頃と・・・・・・」




寂しそうに呟いた拓登をそっと抱きしめた。




拓登、寂しくないよ。


私がいるよ。


私はずっとここにいるよ。