―拓登の秘密―




目を閉じてみるけれど、眠れそうにない。



くっついて眠っている拓登の顔を想像していたのに、いつの間にか今日のお父さんと綾のお母さんの姿が浮かんでいたりして。





「眠れっか?」




彼氏みたいな声で、拓登が囁く。




「眠れない」



「だろうな・・・・・・」






拓登は、私の肩に手を回し、私の頭を撫で始めた。



ますます眠れない。



さっきの“眠れっか?”っていう拓登の声が耳から離れない。





拓登が



好きで



好きで好きで好きで・・・・・・





泣けてくる。