琴音さんの瞳が揺れた。冷静さを取り戻す様に、息をつく。 「そうね…あなたも、体だけの関係は惨めでしょう?その先は何もないですものね」 初めて、怒気を僅かにはらんだ嘲笑に似た声が続く。 もっと、怒ればいい。 あなたはそれが出来る立場にいるんだから。 「冴木」 部長の声が低くあたしを遮る。 「冴木、彼女は人形じゃない。君の言葉に傷つく一人の人間だ」 そんな事分かってるよ。悔しいくらい。 琴音さんの瞳が初めて色づいた様に光る。