インターホンを押す少し手が震える。 今更緊張なんて、手遅れなのに。 あたしはもう、先の分からない扉を開いたんだから。 伝えたい。 結局あたしの負け。 本音を隠し切れなかった。 ううん、部長はとっくに知っていたのかもしれない。 あたしの気持ちなんて。 揺るぎそうな意志に頭を振る。 間もなくして、扉が開いた。