部長はクッと笑うと、あたしの首筋に触れた。 「冴木は嘘が下手だな」 その声が脳を侵す。 「なにが、ですか」 ああ、駄目だ。この人がこんな瞳をしている時は、逆らえない。 「…すまない」 その一言で触れた手程の熱さはすぐに消え去る。 「なんで…」 謝るんですか。謝って欲しい訳じゃないのに。 あたしは、湧き上がる感情を抑えきれなくて、部長の首に手を回した。 「冴木、俺は優しくないし、良い男でもない」 その声は何度聞いても胸を締め付けられて。 「かまいません」 あたしは、この人が好き。