愁ちゃん、彼女がそう呼んだだけで背筋に緊張が走る。 鈴の様な声が落とす呼び名に戸惑うのを必死で隠す。 嘘は上手になったかな。 あたし、 今笑えてるかな。 完璧に見える容姿を持つ彼女は、恋い焦がれて病まない彼の、 婚約者。