「何故、初めてではないと思う?」 部長は心底不思議そうに覗きこむ。 やだ、もう。自覚がないのが一番癖が悪い。 「…部長は、上手すぎるんですよ」 あたしは、恥ずかしくて布団に潜り込んだ。 本当に、 初めて。 キスだけしかくれないのに。 触れるか触れないかの仕草だけで こんなに乱される。 抱き締めるのも、 無理やり押し倒すのも あたしからなのに。 こんな自分、知らなかった。 俯いたあたしに部長が少し笑った気がして、また身体が火照った。