確かに、何もない。 いや、あるんだけどね。水が。水だけが。このデカい最新式の冷蔵庫を占領している。 だから、この人の生活はどうなってる! 時計もない、食料もない、よく見れば生活感もない。 むしろ呆れを通り越して笑えてくるあたしに、 「料理などしなくても構わない」 部長はコホンと咳払いをしてそう言った。 別に、その言い方が淡白だったとか冷たかったとかどうでもいい。 ただ、少し、切なかったあたしは面倒くさい。