「愁ちゃんが幸せとは限りませんわ」 そう言って寂しげに微笑んだ人形の様な人に初めて人間的な何かを感じた。 「欲しい物は何ひとつ手に入らない」 落とした言葉の真意なんて知らない。 あたしは、ただ 何て我が儘なんだろう、そう思った。 あなたは何だって持ってるじゃない。 地位も 美貌も、知性も そして、 一番あたしが欲しいもの あの人だって。