笑いながらどっかへ行く左京。

んとバカ…

「ごめん、左京は一応悪気はないんだけど…」

「いいよ、別に」
「琉雨、本当ごめん」

「いいよ。よろしくな、和泉」

ヘラッと笑った琉雨の顔には、まだ少し幼さが残っていた。

 その幼さに、つい涙花をおもいだしてしまう。


そんな自分を、認めざるを得なかった。



入学式が始まっても俺らはボソボソとしゃべっていた。



ここに、涙花がいたらどんなにいいだろうと、心ひそかに思ってしまう。





 入学式が終わった後、クラスでHRを行い、自己紹介はなしで、今日の学校は終わった。


「なな!琉雨ちゃん、和泉!」
「何?左京」


同じクラスになった俺たち三人は、もうすでにグループみたいな感じになっていた。

「ここの学校広いやろ?だから、学校探検せえへんか?」
『うわ、幼稚~』

「うっさいわ!」

そんなこと言いながら、俺らはスクールバックを持って、寮には帰らずに学校内を見て回った。


「ほんま広いなぁ…」

「そうか?」

それぞれの後者を一つずつ回って、移動教室などの確認をした。

「次は一回の渡り廊下やな」

扉を指差しながら、左京はパンプレットを見て言う。

ーガチャッ