少し前、私は桜ヶ丘を受験した。
和泉は203番で、私は1013番。

番号もだいぶ離れてたし、試験会場も他の教室だったから、バレることはなかった。

なんとしてでも、和泉と一緒にいたかった。

なんと言われてもかまわない。
しゃべらなくてもいい。

 ただ、見ていたい。

「涙花ちゃん、発表通知、来てますよ」
家政婦の吉野さんから、通知を受け取った。震える手で通知をあける。


羽生 涙花様

これより、あなたを桜ヶ丘大学付属高等学院への通学を認めます。

あなたは15/130位でした。




…うそ


「え…涙花ちゃんが10番台?!ええ?!」

「吉野さん…」

自分でも信じられない気持ちでいっぱいだった。
 確かに塾にいったり、家庭教師をつけたり、今まで信じられないくらい勉強したけど…

「やったぁぁ!」

「おめでとうございます!」

「ママに伝えといてね?」

「もちろんですよ」


私はギュッと合格通知を抱きしめた。
やったぁ…!

ーPPPP PPPP

…部屋の電話?

「ハイ」