前にも後にも。 どこへも行けない私がいる。 擦れ違っただけで、嬉しくなって。 “先生”そう呼ぶだけで、距離を感じて。 誰かに言ってしまいたくなる。 先生が好きなの。 だけど、先生を困らせるセリフを口になんて出せない。 例え、バレていたとしても。 私は先生を好きじゃない、そう言うんだ。 あの時、終った。 あの時、蓋をした。 なのに、どうして? お願い。 開いてしまった蓋を。 終ったと嘘をついていた想いを。 硬く閉めて、誰も知らない場所へと埋めたいんだ。