「………そうね。…今はまだ動かない時計だけれども、いつか必ず動き出す〝刻〟がくる。
それまで…私はここで待たなければ」






彼女の言葉は半分も理解できなかった。





俺がこの時、唯一理解できたのは――。











「でもさ。あんた、待ってるの…寂しいんだろ?」



「…え……っ?」





俺の発言に彼女はとても驚いた顔を見せた。








「どうして私が寂しいと…?」



「そんな表情(カオ)してりゃサルでもわかるっつーの」



「か…カオ…っ!?」






無自覚なのか。



少し顔を赤らめて焦る彼女。







なんか…可愛いな……。