「…あんたこんなとこで何してたんだ?」



「……待ってるの。この時計が動く〝刻〟を」



「待ってる?」



「そう。ずっと、ずっと前から」



「言っとくけどこの時計、昔っから壊れてんだぜ。あんたも俺も生まれる前から」



「なぜ…私が生まれる前からだってわかるの?」



「え?だってあんたも俺も見た目的にそうそう歳変わんねーだろ?」






その瞬間、彼女はなぜかとても――とても悲しそうな目で俺を見つめた。


そして、少しだけ微笑んだように見えた。







…?




俺、なんか変なこと言っちまったか?