「あっああ。こんくらい平気だよ。擦りむいただけだし」



「でも…痛むでしょう?ちょっと待ってて。私絆創膏持ってるから」





そう言って彼女は俺の手を取り手当てをし始めた。





「ほ、ホント平気だって!あんた…」



「ううん。人を傷つけて、痛くないハズないでしょう?」







え…?



なんで…。







「あんた…俺が人を殴ったとこ見てたのかよ?」





その問に彼女は答えなかった。





その代わり、とてもきれいな微笑みを俺に見せた。