― Summer Drop ―

そこには昨日と同じように

読書をしている謙太の姿があった。


奇跡だ!!


本気でそう思った。

深呼吸して、謙太の方へ歩く。


イスを引くと、謙太は顔を上げて千夏を見上げた。

咄嗟に言葉が浮かばす、軽く会釈をする。

気づいたかな、と思ったけれども謙太はまた視線を本に戻した。