― Summer Drop ―

千夏は、来年の自分が、謎の数式をすらすらと解き

謙太と待ち合わせをしているところを想像してみる。

それは今の自分とかけ離れていて、奇跡でもおきないことには

難しい気がした。


落ち込みつつ席に向かうと、空席になったと思っていたとなりの席には

既に別の人が座っていた。

その後ろ姿を見た瞬間

千夏は思わず立ち止まってしまった。