― Summer Drop ―

本を読み終わって席を立ったときには、四時を回っていた。

次に読むものを見つけて席に戻ろうと歩いていると

となりに座っていた男子高校生が、自動ドアを出るところだった。

何となくそのまま見ていると、ガラスの向こうには

同じように西城高校の制服を着た女子生徒が立っていた。

待ち合わせをしていたのだろう、男子高校生が出てきたのに気づくと

笑顔で話しかけている。