― Summer Drop ―

そんなにうまくはいかないか……。


昨日の席は幸いにも二席とも空席だったため、昨日と同じ場所に陣取る。

一二時半を過ぎたところだったため、昼食をとりに出た人がいたのかもしれない。

勉強を始めようと思い、カバンの中を覗く。

その中身を見て

千夏は頭が真っ白になった。

鞄の中に入っていたのは、教科書や参考書ではなく

黄色のバイエルと譜面。