― Summer Drop ―

 「…わたしも謙太君の応援に来たんやけどなぁ……。」

思わず一人でつぶやくと

余計に惨めな気持ちになった。

 「話しかけてくれるん待ちよっても、何も始まらんよ?」



 朋子の言葉が、図星過ぎて胸が痛い。

 それでも、

もし同じ学校だったら

もし同じクラスだったら

きっと、

この関係も変わっていたんじゃないかと思うわたしは、

卑屈で、臆病で、

そのたった一歩が


ずっと踏み出せなかった。