― Summer Drop ―

謙太のことをすきになったのは、二年生の時。




謙太に一目惚れした二週間後に

朋子を誘って、再び東中学校の試合を観に行った。

「千夏ー、そのすきになったピッチャーは、どこにおるん?」

他校で、更に背番号こそ違うが、同じユニホームなのだから

一度見ただけの選手なんて、朋子には見つけられる気がしなかった。

「ほら、あっこの今ボール投げた人!!謙太君って言うんやって!」

けれども千夏は、即座に答える。