「見てませんっ!ち、近づかないでください!」 桐沢社長の顔があまりにも近いので、あたしは必死に止めた。 心の中じゃ素直になれるのに、やっぱり口からでるのは強がりばかり。 「まー子の意地っ張りにも、もう慣れたよ」 あたしの顎を掴み、上に向ける桐沢社長。 「や、やめてくださいよ」 口ではそういうけど、やっぱり心のどこかでは嬉しいと思ってるあたし。 「嫌がってるようには見えないけど?」 桐沢社長のそんな言葉にもキュンとするあたし。 桐沢社長のせいで、あたしはどんどんおかしくなってる……。