涙が愛しさに変わるまで



寝てるのに……。



あたしはなんだか切なくなって、社長室を出た。



なんでだろう



……胸がモヤモヤする。



あたしが桐沢社長の重荷になってるのかな?



そうだとしたら……



「片岡さん!」



この声にあたしは聞き覚えがあった。



「水野課長!」



この間までは怖かったけど、あたしの社長への気持ちを気付かせてくれたのはこの人。



あたしは自然と警戒しなくなった。



「可愛いですね、今日も」



にっこりと微笑む水野課長。



眼鏡がよく似合う爽やかな人。