【転生ー34】


祐平はピタッと動きを止め、静かに目をつぶる……







このボタンを押したら最後、一度飛び出したら
もうこの地球には戻って来れないだろう。







自分の星にちゃんと行ける保証もない上、
もう家族にも会えない。

いや…誰にも会うこともできない。






本当に、それで良いのだろうか?







楽しかった日々を思い出し、懐かしむ祐平…







そんな思い出も、
発射したら
もうおしまいである。







そして…ゆっくりと目を開けると、
祐平はスイッチを押した…






ゴゴゴゴゴ……!!





……………………






そう…
いつも少年は夜空を眺めていました…



誰しもが、一度は
思わないでしょうか?



遠い昔に何かを
忘れたような気持ち…




とてもとても大切な、
忘れちゃいけない
「何か」を……




少年は
夜空を見ながら考えてました




大切な人を守るために
人は生きている…



どんなに離れていても、その心は変わらないもの
…と



そして
全てを思い出した少年は、あの空の向こうに行くための決意をしました




大切な人に、
もう一度会うために……




ティナとの約束を
守るために……