あの空の向こうに

【転生ー29】


チチチチチ……







森の中では、見たこともない不気味な鳥が鳴いている。







樹海に入って10分たらずだが、右を向いても左を向いても前も後ろも全部同じ景色…






すでに、帰り道さえも分からない状況になっている。







さすがは、魔境の地とも呼ばれるだけのとこはある。







自殺するためなら入るのも分かるが、
祐平のように、希望を持って入る人はまずいないであろう。






本当に死ぬかもしれない地に、この17たらずの少年はためらわずに入ったこと事態が驚きである







「この近くに自分の前世の遺体と宇宙船があるはずだ…
あとは勘で探すしかない…」








そう言うと、樹海での捜索は始まった。






きっと導いてくれるであろう…
前世の自分が。







必ずあると信じて、祐平は探し続けた。






ぐるぐるぐるぐると……







…しばらく探すものの、見る物は同じような木だけである。





歩き疲れ、その場にガクっとうなだれる祐平。







やはり、見つけることなど出来ないのだろうか…?







「ティナ…………」






祐平はポツリとティナの名を呼んだ…







キィーーン!!







突然その名と共に、祐平の耳に耳鳴りがし始めた!







「っつ………!
な、なんだ…?」