あの空の向こうに

【転生ー28】


ガタンゴトン……







始発の電車に揺られ、祐平はどこかへ向かっていた。







そして、電車を降りると、
すぐバスに乗り換え、
再び揺られながらの移動となった。








もうすっかり日は登り、明るくなった頃だろうか?








いつの間にかバスを降りた祐平は、目的地を目指して懸命に歩いていた。







なん時間もかけ、ようやく祐平の考えつく場所にと到着したのだった。








「ここだ………」







目の前に生い茂る樹海……
上を見上げれば高い山……







「さすが日本象徴の山…
近くで見るとでかいなあ」








そう……
ここは富士山の麓の、青木ヶ原の樹海であった。







ここは人の入らない、
いや、
入ったら生きて戻ってくることはできない魔の樹海…







そんな魔境の地に、自分の乗って来た宇宙船があると考えたのである。







確かにここなら宇宙船が降りても、何十年も見つからないのもうなずける。








それに記憶にも根拠があった。








「確か記憶では富士山っぽい山が見えたハズ…
やっぱここしかない!」





バシッと気合いを入れ、勇気を振り絞ると、
祐平は富士の樹海へと足を踏み出していった…