あの空の向こうに

【転生ー21】


薫との別れは、意外にあっけないものだった…






たった数ヶ月付き合ってたとは言え、流石に心が痛まないワケがなかった。







だけど「本当に大切な人」に気付いた自分の心に、嘘をつくことができなかった…





窓に近付き、星を眺める祐平。






祐平には分かる…
あの星が自分がいた星だと言うことを。






「………ティナ」






祐平は、まだティナの部分しか思い出せていない。







無論、
自分がレオンだったこと、
シュナウザーの毒にやられたこと、
ティナに逃がされた事など思い出せないでいる。






ただ、あるのはティナとの固い約束…








死んでも、必ず会いに戻ると言う約束…






その約束だけは強く頭に残っていた。







「俺は、確か…」






ふと考える祐平。






何故自分は、この星に来たのか…






「何か」から逃げる為に、あの星から脱出したことだけは覚えているが……







それ以上は、分からない