あの空の向こうに

【星を眺める少年ー19】


「ティナ…君は村の族長の孫だ、ゆくゆくは村を束ねる君に、万が一のことがあったらいけないよ」



「ううん、この村の長に一番ふさわしいのはレオンよ。それは誰だって認めてるわ」




実際、レオンの人望は厚かった。
それだけでなく数々の功績、結果もあるので村人達の信頼もあった。




しかし、そんな自分でも族長になれないのは分かっていた。



「族長になる条件ってティナも知ってるだろう?一族の血筋の正当後継者はティナしかいないんだよ」



ティナの両親はもういない。




ということは、その娘のティナが長の正当な後継者であった。



例えレオンと結ばれて、子供が出来たとする。




だが、その子はティナの子なので一族の血筋として族長になれるが、レオンは族長になることはできないのである。




そのことを分かっているので、レオンは違う形で村人を守るために危険な任務をこなしているのだ。