あの空の向こうに

【星を眺める少年ー15】


ギュ……




手にティナの力がこもる。




「良かった…レオンが見つからなくて…」



ティナの切なる思いが、手を通じてレオンに伝わった。



しかし…



「ティナ……君の気持ちを踏まえた上で言うけど、もう一度そこの場所に行き、その遺跡を調べたいと思うんだ」




「……!!」




その言葉にティナは驚きを隠せない。




「どうして、どうしてなの?」




「それは…」


………とレオンがそう言いかけた次の瞬間!



バキバキバキ!!ドスン!!




2人の後ろからけたたましい音が鳴り響いた!



…………………




どうやら木が腐り、倒れただけのようだ。
…が、しかし2人はしばらく固まっていた。



ただ木が倒れただけだと分かっていても、しばらく2人は動こうとはしなかった。



問題は木が倒れたことではない。木が倒れたことによる、その「音」である