【この星をかけて…1】

朝になり、数人の村人と共に2人は出口の門のとこに居た。




そこには、ダラの姿もあった。



「おいレオン。
気をつけて行けよ~。
くれぐれも昔みたいに、このままお別れなんて嫌だからな」




「分かっている。
今度こそ、必ず戻って来ると約束するよ」




2人は、約束の握手を交わした。




「そうそう、こいつを持っていくといい。
まさか、またこうしてお前にコロナーを渡す時が来るなんてな~」




と、ダラはヘンテコな、銃の形に似た機械を渡してきた。




「コロナーって…?」




それを、代わりにサラが説明をした。




「このスイッチを押すとな、電気が飛び出るんダ。
まあせいぜい、1~2m先くらいまでしか届かない」




「これは…?」




その横には、レベル調節と書かれたつまみがあった。




「それは、電力の調節だ。
一番低いレベルは、人間を痺れさせて動けなくするくらいだナ。
逆に高いのは、人を殺せるくらいだから注意しろ」




もちろん一番高くしても、シュナウザーに対して足止め程度にしかならないものである。




「コロナーか…」




祐平は、覚えている。
ティナにコロナーを使われ、動けなくさられた事を。




そして、動けなくなったまま、この星を脱出させられたことも…




祐平にとっては、あまりいい思い出のない武器であった。




「そろそろ行くゾ」




サラはそう言い、2人は荷物を持って歩き始めた。





「気をつけて行くんだよ~」


「イイ成果を期待してるぞ~」


「ヤツらに気付かれずに行くんじゃよ~」





まるで、17年前のあの日のように
村人達の声を背中で受ける…




それは、懐かしきティナとの旅立ちも蘇るようであった。




だけど、もう同じことは繰り返さない…
俺がこの星を救うんだ!!




祐平はティナの髪束をギュッと握りしめ、2人は真っ暗な森の中へ飲み込まれて行った…