あの空の向こうに

【星を眺める少年ー13】


一歩村を出れば、自分の胴の数倍もある木がたくさん出迎える

…とゆうより村全体が大きな木々に囲まれているだけで、村のどこから見回しても、目に見えるのはムサ苦しい木しか見当たらない。




そこに、うまく木々に囲まれた、小さな小さな広場がある。



その広場の真ん中にある切り株の上に、ティナは座っていた。




「レオン、早く早く。」




微かな小声でティナが手招きをする。




呼ばれるがまま、レオンはティナの隣に腰掛けた。




そのままレオンはティナの手を握り、話をし始めた。




「ティナはホントここが好きだね」



「私達だけしか知らない場所よ。私、レオンと二人のこの場所が大好き」




お互い幸せそうに微笑み合う。




「僕らが小さい頃も、ここで二人で隠れていたね」



「あれは、レオンがおじ様の大事な絵にイタズラしたからでしょ?」




「そうだっけ?」




ティナはクスリと笑った。



「もう、忘れっぽいんだから」