『【ただいまより…ゲーム開始とします】』
マイク越しにあたし達の耳に伝わる,ZOFの声。『始まっちゃったね…』
咲が言った瞬間。
マイクから,機械音のような乾いた音とともに,再びZOFの声。
『えー,1人目が失格となりました。残りは99名です』

………えっ?
まだ,数秒しか経ってない…ょね?
『あースッキリしたあ!』
女の子の声。
『びっくりした…まさか真帆,ホントにやっちゃうなんて』
隣にいた女の子が言う。
『だってさ,日頃からムカっぃてたし?ちょぅどぃぃチャンスじゃん!』
『真帆…』
『未沙も,悪く思わないでよね?』
『えっ?』

そして,あたし達は見てしまった。
真帆が未沙を刺した…瞬間を。

『きゃぁぁぁああっ!!!』
物凄い悲鳴を残し,息絶える未沙。
『さてと…次は誰にしょっかなっ。じゃね,未沙』真帆は何事も無かったょぅな顔をして,行ってしまった。

『何今の…』
『【2人目が失格となりました。残り98名です】』
『コイッの声なんか,もぅ聞きたくないっ!』
咲がマイクを引きちぎろうとした。
が…
『何でっ?!綾芽,コレ取れなくなってる!』
『ぇっ?!…ぁ,ぁたしのも取れなぃ…』
『何なのコレ,ZOFもぁの真帆って女もぉかしぃょ!こんなとこで死にたくなぃっ!!』
『落ち着いて,咲』

『【3人目が失格となりました。残り97名です】』

『また…』
咲が落胆した表情を見せる。
『ここにいちゃホントにヤバィょ。どっかに隠れょぅ』
『ぅん』

ゲームは,私達が想像した以上のスピードで進んでいた。
そして,想像以上に残酷だった。