今から胃がキリキリしてきた。 昔から人前に出るのは苦手だった。 すぐ緊張しちゃうし、お腹痛くなっちゃうし……。 外へ出て、周りにタクシー待ちの人が沢山いる中、どうやって帰ろうかと思えばふと、立ち止まった関谷さんがあたしに振り返る。 「俺ら、このまま直帰って事になってるけど……どうする?送って行こうか?」 ポケットからキーを取り出してあたしに見せる。 バスに乗って帰るよりも関谷さんに送って貰った方が良いけど…… 「あ、今日は良いです。寄る所があるので」