その地図をしっかり眺めながら、あたしはホテルを後にした。 ホテルの前を通る道。 その道の向こうにはビーチ。 海の匂いがして、落ち着く。 バーも、地図があったお陰で案外すんなり見つける事が出来た。 「いらっしゃいませ」 ドアを開けた途端カウンターに立っていた男の人が笑顔を見せる。 あたしは軽く頭を下げて、カウンターの一番端、壁の横へと座る。 薄暗くて少し大人な雰囲気の店内。