ん、と差し出された券を仕方なく受け取る。 「俺行きたいけど社に戻らないといけないから。小村行ってこい」 「えっ……あたしだけですか?」 いやいやいや。 あたしの力不足のせいで契約を逃したのに、部長に報告しにも帰らず直帰で付属施設を利用するなんて…… それはいけないでしょ。 姑さんにバレたら絶対に嫌み…と言うか説教されるに決まってる。 「元気出せ。泣いて目腫らすなよ?」 「……ありがとうございます」 「ん。じゃ、俺行くから。気を付けて帰れよ?」