「新垣先生、本当にありがとうございます!!!」 私の大声に、先生は穏やかに笑った。 私の胸によみがえる新垣先生の言葉。 しっかり向き合えと言って、私の涙を拭いてくれた先生。 「あ…!!先生、ストラップ一生大事にします!!」 新垣先生は、ポケットに片手を突っ込んだまま、もう片方の手を上げた。 廊下を走る私たち2人に…温かい視線を向けたまま… 今日だけは、廊下を走ることを許してくれた。 思い切り走りながら、しっかりと新羅の手を握っていた。