ごめんね…すら、言えなかった。 ただ、責める様な目が怖くて、目をそらした。 風が私の髪を乱す。 ベンチは不気味な音を立てて、私の心を不安にさせた。 広い屋上に、私と新羅。 目をそらした私に新羅が言った。 「うそつき!」 そのまま、動けない私の耳に聞こえた音。 屋上の重い扉の閉まる音… 誰もいなくなった屋上は、 とても悲しくて、寂しくて… 私の心の中のように からっぽだった。