「優…新垣のメアド知ってる?」


同じクラスの菜美は、新垣先生のファン。


私、沢渡 優… は、誰にもこの気持ちを話してないんだ。



言えないよ。


誰にも…



「知るわけないじゃん…新垣、ガード固いよ!」


ふざけてそう言いながらも、胸が痛いんだよ。


みんなが新垣先生を好きだけど、

私はもっと好きだもん。



うぬぼれかも知れないけど、

私は他の生徒よりも少しだけ新垣先生に近い。



それが嬉しかった。



「優なら聞けるでしょ?仲いいんだからぁ!お願い!」


菜美のファン歴も長い。

クラスのみんなが知ってるんだ。



「頑張ってみるけど…無理だよ、多分。」


適当にその場をやり過ごす。