いつも人の目、気にして


相手の気持ちばかり気にしてた。




でもそれが相手にとって


嬉しいことなのかな?




本音でぶつかってきて欲しいって

思う人もいるんじゃないかな?




ね、新羅…


新羅はきっと今そう思ってるね。





鞄を地面に置いて、両手を広げてみた。



風が私に向かって吹いてくる。





負けないように目をしっかりと開けた。



目の前に広がる街。


すぐ横の大きな木が風に揺れながら、ざわざわと音を立てる。




入学してすぐの頃、ここからよくこうして景色を眺めてたっけ。



いつの間にか、遅刻しないように急ぎ足で通り過ぎてた。



いつの間にか、ここからの景色も忘れてしまっていた。





忙しい毎日の中で


何かを忘れてきてしまってたんだ。






その忘れ物は


まだ どこかに あるのかな?





まだ 私に見つけてもらうのを


待ってるのかな?