昨日の放課後、新垣先生にメアドを渡した菜美。
先生は
『受け取れない』とはっきりと言ったんだ。
菜美は、そこで告白した。
だめだってわかってたけど…
先生の顔見てたら言ってしまったんだって。
その気持ちよくわかる。
新垣先生の顔見てると、思わず言ってしまいたくなる瞬間がある。
『好きです』って。
菜美がクラスの男子と付き合う決意をしたのは
先生の言葉のおかげだったんだって。
…お互い同時に惹かれあうなんてめったにないって。
最初のきっかけがどちらかからだとしても、相手のこと本気で愛せるかも知れないだろって、先生は言ったんだって。
だから、しつこく菜美に告白してくるその子の気持ち、菜美は受け入れてみようと思ったんだ。
新垣先生は、最後にこう言ったんだって。
『貴重な青春時代に、俺を好きになってくれてありがとう』
菜美はその言葉がもらえただけで、もう満足なんだって強がって笑った。

