泣きながら保健室へ逃げ込んだ。
ここはいつも私の癒しの場所。
何かあるとここへ逃げてきた。
優しい保健室の先生は、どんなささいな悩みでもちゃんと聞いてくれて、
保健室のベッドを貸してくれるんだ。
涙を拭きながらドアを開けた。
そこには、目を真っ赤にした菜美の姿があった。
さっきまで教室で嬉しそうにしてた菜美。
新しくできた彼氏とくっついてたはずの菜美が、保健の先生に肩を抱かれて
泣いていた。
人の心の中なんて
誰にも見えないんだ。
自分自身でもよくわからない心の中を
他人がわかるなんて無理。
私は、菜美の涙を見て…
少しホッとした。

