正直に言えばいいのか
黙ってればいいのか、私にはどっちも残酷な気がした。
私は、彼に言ったんだ。
『新羅を傷つけないで』って。
言いながら、ときめいてしまう自分が嫌だった。
それから数日後、部活が終わったあと、新羅が呼び出された。
部室に戻ってきた新羅の顔は、
今まで見たことがないくらいに 悲しい顔だった。
ごめんね。
ごめんね、新羅。
私のせい?
ごめん…
私も、新羅の彼を、好きになってしまってたんだ。
臆病な私は、そのことを一生誰にも言わずに生きていくだろう。
だけど、ここに残る傷も一生消えないね。
心が
痛いよ。

