「他の誰にも例えようがないくらい、大切なんだよ」
ぽろりと涙がこぼれてしまった。
それを、夕月さんが指でそっと拭ってくれる。
ああ、
どうか
どうかこれが夢ではありませんように……
「夕月さん……好きです…」
夕月さんの腰に腕をまわすと、きゅっと抱きしめられた。
「……俺も」
そっと唇を重ねられて、私は今度こそ泣き出した。
どうしよう。
こんなに幸せで、怖いくらい。
まさか本当に夢だったりしないのかな。
泣く私の頭を撫でながら、夕月さんがぽつりと言った。
「とうとう手出しちゃった。これって犯罪だったりしないかな」
夕月さんがふざけて言ったことに、私はちょっと考えてから首を振った。
「大丈夫です。夕月さんは前にも私にキスしました」
「え、何ソレ」
少し声が上擦る夕月さん。
やっぱり覚えてないんだ。
大丈夫じゃないじゃん、とぶつぶつ言ってる夕月さんにくすりと笑う。
「大丈夫なの。二人だけの秘密、でしょ?」
「言うね」
そっと顔をあげさせられて、夕月さんと目があった。
夜の静けさの中、
私たちはまた唇を重ねた。



