不安とは裏腹に、優しい声が降ってきた。
えっ、と思って目をゆっくり開くと、
心配そうな顔をして立っている、見たことある人。
ズバリ、あの人。
私の悩みを生み出した張本人!
「あ…あ…なんで…?」
もしかして、もうお迎えに?
「さっき君のお母さんが連絡してきて。君が飛び出したっていうから、探してたんだよ。」
そういうと、ケータイを取り出して耳にあてた。
「もしもし、木島さん。娘さんを見つけたよ。あとで連れていくよ。それじゃ。」
…木島さん。
木島っていうのは、お母さんの旧姓だ。
何で知ってるんだろう。
そもそも旧姓で呼ぶなんて…
「何?」
男の人は不思議そうに首をかしげた。
いつのまにかものすごく見つめてしまっていたらしい。
恥ずかしい!
「あ、えっと」
恥ずかしくて、思わず手をパタパタさせた。



