助けてやったのに、と飄々として言う絢香に、私はヒクリと頬をヒクつかせた。
「誰のせいだと思ってるの!」
「俺?…それはそれで嬉しいな」
「喜ばないで!」
ガタガタと女の子達が席に着いていく中、絢香とわーわー言い合いした。
「大体ねぇっ…」
更に文句を並べたてようとしたとき、莉沙が私の隣の机に着き、楽しそうに絢香と私を見比べた。
「仲良しだね~、お二人さんっ!」
何を言い出すかと思ったら……
「莉沙、勘違いしないで!仲良しなわけないよ!」
「そうなんだ、もうすっかり心を開いてくれちゃって。ついでに体も開いてくれると嬉しいんだけど」
「絢香!!」
「「し――っ」」
みんなが席に着いて静まり始めたのに気づいて絢香と莉沙はそろって人差し指を立てた。
はっとするとともに、夕月さんの声が飛び込んできた。
「それじゃ、授業始めます」
私の塾初日は、こんな感じでドタバタと始まるのだった。



