秘密の鎖


案の定、私の思惑どおり夕月さんはピタリと固まった。


今まで笑われていた私はふふんと勝ち誇った気分で胸を張る。


「もう決めたから。明日莉沙と申し込み書出しに行くんだ」


止めたって無駄だよ~っ、て続けたかった。


続けたかったのに。



「ああ、それなら俺が二人を連れて行くよ。その方がさっくり手続きできると思うし」


予想外な言葉に今度は私が止まった。



え?

あれ?


反対されるかと思ったのに


自分が先生やってる塾に知ってる人が来るの嫌だろうと思ってたのに


なんかわりとノリノリ何ですけど!?



「夏休みは勉強するいい機会だよねー、ビィは一日中家にいるくせになかなかしてないみたいだったから心配してたんだよ。よかったよかった」


「いや、あの」


勉強する気はあんまりないんです、とはさすがに言えない。


てか私そんな風に思われてたんだ!


「じゃあ明日責任持って俺が連れてくから。莉沙ちゃんだっけ?にもちゃんと連絡しといてね」


拍子抜けしてしまった私はただ頷いただけ。


「夏に頑張れば成績上がるよ。頑張ろう」







あれ?




しまった



なんか……




早まったかも―――!