「えっ……」
私はヒヤリとした。
一気に青ざめていくのが自分でもわかる。
「どうして、そんなのイヤ!意味がわかんない。ちゃんと説明して!」
私は勢いよく立ち上がって、そのはずみで椅子が倒れ、お皿の上のものがこぼれた。
優也はおびえているようだったけど、私はそれどころじゃなかった。
あの人はカッコイイし、素敵だけど…ってそうじゃなくて、なんで私が。
なんの為に。
「ごめん、ごめんなさい、美緒…」
お母さんの涙も、今はイライラをかきたてるだけだった。
「なんなの、ごめんって。説明してっていってるじゃない!」
お母さんは悲しそうにうつむいた。
「私とお父さんは昔、あの人に…あの人たちにひどいことをしたの。それを償って欲しいって。お金でなんとかって言ったんだけど、子どもを渡せっていうのよ。美緒か優也…でも、優也はまだ小さいから、美緒ってことになって…」
「ヒドイことって?」
「そ、それは…」
お母さんはいっそうおどおどし始めた。



