ピリリリ―――



……うるさい。


私は寝惚け眼で目覚ましを止めようとして手を伸ばし、音の正体は目覚ましではないことに気づいた。



ピリリリ―――



根気強く鳴り続ける携帯電話。



枕に頬をつけたまま携帯を取り上げ、通話ボタンを押して耳に当てる。


「は――――い」


もう、誰なの。
私の眠りを邪魔するのは――


『おっはよー!みお』


やっぱりね

何となくわかってたよ!!



朝から元気な莉沙の声にげんなりとした。

無反応な私に、莉沙は少し拗ねたような甘えたような声を出した。


『ちょっとー、おはよって言ったんだからちゃんと返してー』


「ハイハイオハヨー。で、何なの?」


『……なんか冷たくな~い?私何かした?』


「したよ」


間髪入れずにピシリと言うと、莉沙はもうバレちゃったんだ!と驚いていたが、


『そんなことより!』


いや、謝ってよ。


『美緒知ってた?』


だから何を?


『夕月さん俳優デビューしたのっ!?』




――――へっ?