「…っ!」
逃げようとした私の腰を捕まえて、夕月さんは唇を当て続ける。
「……ふ…っ」
両手で口を塞いで、漏れそうになる声を必死で押さえた。
私が感じたことがない感覚に身を震わせたとき。
ピリリリリ―――
「!」
テーブルの上にあった夕月さんの携帯が鳴った。
夕月さんはピタリと動きを止めて、私をじっと見ながらゆっくり立ち上がった。
「お風呂、入ってきなよ。着替え出しとくから」
そう言ってポンと頭に乗せられた夕月さんの手。
まるで、何もなかったかのように。
それを私はパシンと払いのけた。
「――言われなくてもそうするしっ!」
ああ、本当に私って可愛くない。
私は夕月さんの横をすり抜け、一目散に浴室に駆け込んだ。
バタン!
ドアを閉めて、ハァハァと息を吐く。
「~~~っ」
ぎゅっと目を瞑って、ペタンと座りこんだ。



